地方公務員の一般事務の給料の仕組みは?

地方公務員の期末勤勉手当(いわゆるボーナス)支給時の報道で、管理職を除く行政職(平均OO.O歳)XX万円という報道を見たことがありませんでしょうか。

これは行政職給料表が適用される管理職以外(いわゆる若手・中堅の職員)の職員に支給される期末勤勉手当の平均額となります。

これは管理職以外ですので、管理職を含めるとさらに多くの額の期末勤勉手当が支払われるため、実は額がドーンと跳ね上がります。

ここでは今後地方公務員を目指す人たちの一番の関心ごとである給料につきまして、地方公務員で最も多い職員数を抱える職種である一般事務の給料を例に述べていきたいと思います。



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地方公務員の給料表は複数に分かれる

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地方公務員の給料表はいくつかに分かれ、一般事務職は行政職給料表が適用されます。

公安職(警察官)教育職(公立学校関係者)研究職(研究所、試験場等勤務)医療職(医者、栄養士、薬剤師、看護師、保健師)、労務職(自動車運転士等)それに行政職です。

もちろん他にもございますがここでは主なものだけを挙げさせていただきました。

なお、国家公務員の場合はさらに細分化され20前後の給料表となります。

さて、地方公務員の行政職給料表は他の給料表の適用を受けない職員となっており、
職種で言えば一般事務職、福祉職、技術職が主です。

そのうち、一般事務職は地方自治体の職員の中で最も多くの職員を抱える職種で総務、庶務のイメージが強いですが、税金、ケースワーカー、用地買収、企画、観光、商工、地域振興等も担っています。

一般事務職の初任給決定の仕方

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まず一般事務職の初任給ですが、採用区分(大卒程度、高卒程度等)や学歴(大卒、高卒)により異なるほか、それまでの職務経験年数等も大きく影響し、それらを基にして行政職給料表の給と号俸が算出され、初任給の額が決定します。

ですから同じ年でも、初任給が全く同じとは限りませんし、場合によっては採用区分が同じでも、職務経験年数の違いや学歴により年下のほうが初任給では上回るという場合もありえます。

よく試験案内などで「給料 大学卒程度XXX,XXX円」とありますが、これは一般には行政職給料表適用者で、現役で大学に合格し、留年などをせずに大学4年時に公務員試験に合格し、大学卒業後すぐに公務員として採用された職員が基準ですので、この額より低くなることはめったにないと考えていいです。

なお、初任給の決定基準については各自治体の給与条例や規則等で公表されております。

また、初任給決定基準となる採用前の聞き取り調査では、履歴書の記載漏れが無いかや職歴等をしっかり報告しておく必要があります。

場合によっては無職の間に公務員専門学校で勉強した期間も初任給計算上、「職歴」としてみなされる場合があります。



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給料は「基本」毎年1回の昇給で上がっていく

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基本、昇給は毎年1回、定められた評価制度等よる勤務成績に基づいて昇給していきます。

昇給は号給が上がるため、給料表の変更や給与カットが無ければ、給料は上がることになります。

一方、ある一定以上の年齢になると昇給がストップする地方公共団体も多くあります。

なお昇給の基準となる評価制度の中身や昇給の号俸数については各自治体で定められ、異なります。

ラスパイレス指数による地方公共団体の給料の実態

・ラスパイレス指数が高い地方公共団体は、給料が高い傾向にある
・地方公共団体間にも給料の格差がある

ラスパイレス指数とは簡単に言いますと、地方公共団体の一般行政職の給料月額を経歴や職種を同一基準にした国の職員と比較し、国の職員の月額給料を100とした場合の指数となります。

つまりこの値が大きいほど、給料が高い傾向にあるといえます。

ちなみに総務省による平成27年度給与実態調査によると平成27年4月1日現在、都道府県で最もラスパイレス指数が高いのが神奈川県の104.1。

最も低いのが鳥取県の91.8となります。

ちなみにラスパイレス指数の分布は

104台 神奈川県
102台 静岡県
101台 秋田県、群馬県
100台 福島県、愛知県他(17県)
99台  広島県他(10県)
98台  沖縄県他(9県)
97台  青森県他(5県)
95台  北海道
91台  鳥取県

となっており、東京都は100.5大阪府は100.7となっています。

また市町村では兵庫県芦屋市の104.7を最高に大分県姫島村の75.7が最も低い数字となります。

地方公務員の一般行政職には給料の他に特殊勤務手当がある

著しく危険、不快、不健康、困難で特殊勤務だが給料で考慮することが適当でないと認められる職務に従事する職員には、特殊勤務手当が支給されます。

例えば、一般事務でも、税の徴収、ケースワーカー等の社会福祉業務、用地買収業務、特殊現場等作業手当(工事現場等において測量、監督、指示、検査等の業務に従事した場合)が挙げられます。

ただこれらは月に1回だけ作業に当たっても月額分を支給されていたことへの批判が多くなり、手当の基準が月額から日額へと変更される流れとなっています。

また、二重手当や公務員特有の手当との批判から特殊勤務手当の内容の見直しも検討されています。

地方公務員の事務職の給料の仕組みのまとめ

  • 一般事務職は行政職給料表が適用
  • 初任給は採用区分・学歴・職務経験年数に関係
  • 基本的に毎年1回の昇給
  • 県によって給料格差がある
  • 一般行政職には特殊勤務手当がある

これから地方公務員を目指す上で参考になりましたでしょうか。

公務員は給料が安定しているとか、年金が多くもらえるとか色々と言われていますが、世間一般が考えているほど楽で安定した職ではないように感じます。

給料の仕組みをしっかり理解し、自分の今の生活から老後の生活のことも見据えて地方公務員を目指してはいかがでしょうか?



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