カタクリの花から片栗粉はどうやって作る?

カタクリの花から片栗粉はどうやって作る?

我が家で料理にかかせない片栗粉。

中華料理のとろみ付けからカリッと香ばしく作るフライドポテトやから揚げにも必需品の食材です。

この片栗粉、いったいどうやって作ってるの?

そんなふとした疑問がきっかけとなり、今回は片栗粉のできるまでについて調べてみました。



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片栗粉はじゃがいものデンプン?!

片栗粉はもともと薄紫色の花をつけるユリ科のカタクリの花の鱗茎(球根)から作られていました。

しかし、現在スーパーで売られている細長い袋に入った「片栗粉」の原料は、じゃがいものでんぷんからできています。

つまり、名前は片栗粉となっていますがその原材料にカタクリの花は使用されておらず、まったく違うものから作られているのです。

なぜ、本物の片栗粉が現在販売されていないのか、また本来の片栗粉の作り方や片栗粉以外でカタクリを食す方法をご紹介しますね。

カタクリの花から片栗粉を作る工程

※カタクリの花
カタクリの花

・気の遠くなるような工程を経て片栗粉が完成
・本物の片栗粉は高級品
・カタクリの鱗茎(球根)からできる片栗粉はたったの20%
・献上品として江戸幕府にも献上されていた

カタクリの花は芽が出てから8~10年間かかってやっと花が咲きます。

そのやっと花の咲いたカタクリの花から片栗粉を作るのも大変な労力を必要とします。

具体的には、

1. カタクリの鱗茎(球根)を棒などで押しつぶし布袋へ入れ
2. 水洗いして沈んだでんぷんを集め
3. でんぷんが白くなるまで何度も水を換え
4. 乾燥させる

そうして出来上がった片栗粉はくせがなく最高級品だそうです。

お湯で溶くと無色になり、風味もとてもよいのです。

また、こんなに苦労して作った片栗粉ですがもとのカタクリの鱗茎(球根)の20%くらいしか取れません。

それでも昔は各家庭でカタクリの花の鱗茎(球根)を掘り、石臼でつぶしてからそのでんぷんを布で超し乾燥させて料理のとろみづけの片栗粉として利用していました。

ちなみに、江戸時代には大和の宇陀の片栗粉が非常に有名で、幕府に献上され、他にも播磨、越前などで同じく作られていました。

片栗粉は昔から貴重で高級品だったのですね。

今では、本物の片栗粉を作るとその手間と人件費を考えたらとてもとても採算が合いませんね。



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今でも食されているカタクリの花

・葉や茎はおひたしに
・花は甘酢和えかサラダで
・鱗茎(球根)は煮物や焼き物で

さて、このカタクリの花ですが、実は花、茎、葉、そして鱗茎(球根)までもが食べられることをご存知でしたか?

今でも東北地方では自分たちの山からカタクリの花を摘み取り、季節の味として食しています。

具体的な食べ方は、

・葉や茎はさっとゆでておひたし
・花は湯通しして甘酢あえかサラダに
・鱗茎(球根)はそのまま煮たり焼いたり

カタクリは、食べ過ぎるとお腹を壊すので注意が必要です。

他にも、採取したカタクリを茹で、天気の良い日に外に並べて干し、乾燥させます。

乾燥したカタクリはそのまま保存し、正月や寒い冬に水やぬるま湯で戻して食します。

今では本物の片栗粉を見ることはほとんどありませんが、先人たちの知恵と工夫で作ってきた片栗粉から現在の片栗粉ができたということを知り、とても歴史を感じました。



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