ぶどうの栽培で注意したい病気(枯れ・黒ずみ)と対処法
ご家庭で野菜や果物を栽培し、その過程を楽しみつつ、出来た作物に舌鼓を打つという趣味をもたれる方は随分と増えました。
今回は、ツルが這う姿が見た目にも美しく、食べてもおいしいぶどうを栽培するに当たって、注意すべき病気と対処方法をご紹介します。
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黒いブツブツが出来る黒とう病
まずは黒とう病。
ぶどうに付着したまま越冬した病原菌が、四月から五月の降雨で、雨の粒に乗ってぶどうの表面に分散し、ぶどうの葉や果実に侵入し、感染すると、黒いぶつぶつができて、肥育不良になります。
対処法としては、発芽の直前に、ベンレート水和剤を散布、そして五月から六月中に2回に分けて、ジマンタイセン水和剤を散布することが挙げられます。
またこの黒とう病は、窒素肥料を過剰に与えることでも起こりやすくなることが知られています。
肥料たくさん与えて、大きく育ってほしいという気持ちはわかりますが、生育が不良でない限り、よけいな肥料を与えることは避けたいものです。
実がシワシワのミイラに枯れる晩腐病
次に、晩腐病。
こちらの病原菌も、ぶどうに付着して越冬して潜伏し、五月ごろの降雨による雨の粒で分散し、感染します。
感染すると果実の表面にしわが寄り、やがて乾燥してミイラになってしまう症状を呈します。
葉の様子が、褐色様になっていくのが、この晩腐病の前兆ですので、その葉を切り取って焼却し、トップジンMゾルなどを、3日間隔で、3~4回まきます。
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ぶどうを病気から守るために
ぶどうの病気の共通点として、蒸れ、風通しの悪さ、日当たりの悪さ、実や葉の密集、窒素系肥料の過多などを嫌う傾向があるということです。
そのため、なるべく広い土地でぶどうを育てたほうが、そして高気圧になりやすい土地柄の方が、病気に悩まされにくく、ぶどうを育てられるでしょう。
水はけのよく、弱酸性から弱アルカリ性の土壌を好むので、一般的にやせた土地といわれる火山灰土壌や、花こう岩が砂れきとなって堆積している土壌の方が却って好都合です。
また、薬剤によって病原菌を死滅させる手法だけではなく、そもそも病原菌がつきにくい状態を保ち、未然に防ぐことが重要ですので、六月下旬ごろに、適粒を行って、房につく粒の数を調整したら、あとは袋をかけて保護することが有効です。
ぶどうを病気から守るためのまとめ
・日当たりと風通しを良くする
・肥料を与え過ぎない
・病気の患部を切除・薬剤の散布
以上をまとめてみますと、ぶどうの病気対策には、まず袋かけをして菌の付着を防ぐこと、次に日当たりと風とおしをよくして、肥料を与え過ぎないこと、最後に、病気の兆しを見つけたら素早く患部を切除し、薬剤の散布をするという、4つのアプローチを行う必要があるということです。
最近では、カーポートや軒先など、家屋の支柱にぶどうのつるを這わせて栽培する愛好家の姿も増えつつあります。
病気のケアに気をつければ、ぶどうの栽培はプロの農家でなくても可能になるはずです。
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