『ガトーショコラ』その意味とは?
形の違いはあっても、『ガトーショコラ』と聞けば、形の違いはあっても、チョコレートが練り込まれた黒くてシンプルなケーキを誰もが想像するでしょう。
そこに、白い粉砂糖がふりかかっていたり、生クリームが添えられているのが一般的ですね。
しかし、それを『ガトーショコラ』だと思っているのは、日本人だけであることをご存知ですか?
『ガトーショコラ』の意味を知れば、意識が少し変わるかもしれません。
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ガトーショコラ、言葉の意味は『チョコレートケーキ』
ガトーショコラは略された言葉であり、もともとはフランス語で『gâteau classique au chocolat』(ガトー・クラシック・オ・ショコラ)といいます。
Gâteauは、小麦粉・卵・砂糖・バターで作った生地をオーブンで焼き上げ、ナッツやチョコレートなどで装飾を施した『ケーキ』や『クッキー』の総称です。
Classiqueには、『一級品』という意味があります。
Chocolatは『チョコレート』を意味します。
つまり、gâteau classique au chocolatは、『チョコレートケーキの一級品』という意味があり、世界では日本でいうガトーショコラに特定せず、チョコレートケーキ全般をさします。
世界のガトー・クラシック・オ・ショコラの種類
ガトー・クラシック・オ・ショコラとはチョコレートケーキ全般をさしますが、その種類はとてもたくさんあります。
- オペラ
- ザッハトルテ
- ブッシュ・ド・ノエル
- ブラウニー
- フォンダンショコラ
- デビルズフードケーキ
ビスケット、ガナッシュ、バタークリーム、チョコレート、コーヒーシロップを層にしたフランスの定番菓子。お酒の風味が強い大人の味です。
チョコレート味のスポンジケーキと杏ジャムを層にして、チョコレートでコーティングされた艶やかなケーキです。
クリスマスの定番チョコレートケーキです。ロールケーキを基本とし、木の切り株のように見立てたデコレーションをほどこします。
アメリカの定番チョコレート菓子です。生地にクルミやナッツ、クリームチーズなどをふんだんに入れた焼きっぱなしのケーキです。
フォークで切ると中からとろっと溶けたチョコレートが出てくる魔法のようなケーキです。温めて食べる、珍しいチョコレートケーキです。
生地にもクリームにもブラックチョコレートを入れた真っ黒のケーキ。悪魔をイメージしたことからこの名前が付けられました。
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日本のガトーショコラは、食べやすい甘さが魅力!
日本における『ガトーショコラ』は、バターとチョコレートを溶かした中に、ふんわりと泡立てたメレンゲ、そして小麦粉を加えてオーブンで焼き上げたケーキをいいます。
粉砂糖をふりかけたり、生クリームを添えていただくのが一般的です。
どっしりと濃厚ながら、『食べやすい甘さ』が日本らしいガトーショコラの魅力です。
最近は健康志向の人が増え、豆乳や豆腐、米粉などを使ってさらにアッサリと、低カロリーに作られたガトーショコラにも人気が集まっています。
本場フランスのガトーショコラは、甘くて濃厚!
日本のガトーショコラに比べて、フランスのガトーショコラはとても濃厚!
その違いは、配合はもちろん、焼き具合にあります。
日本のガトーショコラが中までしっかりと、またはギリギリまで火を通すのに対し、フランスでは『レアであればあるほど美味しい』とされています。
フランス人は、素材そのものの味をとても濃厚に味わいたいという味覚を持っているため、チョコレート菓子全般においても『甘く、濃厚』であることを好みます。
ですから、フランスのガトーショコラはレアで濃厚さが強いのです。
日本のガトーショコラを手掛けたのは『カストール』オーナー藤野賢治氏!
日本人が好む、日本人向けのガトーショコラを生み出したのは、現在は東京都港区南青山に店舗を構えるフランス料理店『カストール』のオーナーである藤野賢治氏です。
藤野氏が考案したガトーショコラは、カストールの従業員他、講習会等やメディア、料理本などで多くの人たちに愛され、そのレシピが日本中に広がりました。
カストールにおいて、現在は『ガトーショコラ・クラシック』という名前で販売されていますが、日本各地のパティシエがオリジナルの配合や焼き加減で新たな味を生み出し、作り手によって『クラシックショコラ』、『ガトー・ショコラ』、『ガトークラシック』などという名前が付けられています。
日本人好みのガトーショコラ、それは当たり前の味ではありません!
『ガトーショコラ』と聞いて特定のチョコレートケーキを想像するのは日本人だけ、つまり日本独特の文化とも言えるガトーショコラの存在をお分かりいただけたでしょうか。
昔は外国のものであった洋菓子が、今は日本でも一般的に食べられています。
そこには多くのパティシエの知識と技術、そして想いが込められており、日本人が「美味しい!」と感じられるように改良を重ねられてきました。
私たちが『当たり前』だと思って食べている味が、ここまで普及、定着するようになったのは、決して当たり前ではないことに感謝しなければなりません。
そんなことを思いながら次にガトーショコラを食べる時には、ちょっぴりいつもと違った気持ちになるかもしれませんね。
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