くわいとは何?食感や栽培方法など
年末になるとスーパーはおせち料理の食材でにぎやかになりますよね。
この時期にしか見ない食材や、普段はあまり使わない食材がメインの棚に並べられます。
真っ赤な金時人参や、ゆりね、数の子、黒豆などがその代表ではないでしょうか?
くわいという野菜もその例外ではなく、お正月にしか見かけない野菜です。
色は大体青みがかった灰色(青藍色)で、球根から芽が出てきたような見た目で、初めてくわいを見た方もおられるのではないでしょうか。
今回はちょっぴり不思議なルックスのくわいをご紹介します。
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くわいとは?
オモダカ科の水生多年草で、水田で栽培される食材で、里芋に芽が出たような見た目をしています。
色々な説もありますが中国から平安時代に日本に伝わってきたと言われています。
でんぷん質が多い上にカリウム、葉酸、カテキンなどを含むため、非常に栄養価が高い食材ですが、現在くわいを栽培し、食用としているのは日本と中国だけだそうです。
日本ではくわいの発芽しているような見た目から、「芽が出る」と縁起をかつぎ、古くからおせち料理で食べられてきました。
縁起物としておせち料理の食材として使われる習慣があるため、世界で一番消費しているのが日本だそうですよ。
クワイという名前は、収穫した形が畑を耕すクワに似ているので「クワイモ」と呼ばれていたのが変化した説、水中に生えるのでカワ(河)イモが変化した説もあります。
ツバメのしっぽのような形の葉っぱを持っているので燕尾草とも呼ばれることもあります。
くわいはどんな味?食感は?
くわいは主に3種類あり、それぞれに味や食感が違ってくるので別々にご紹介します☆
日本で主に食べられているくわいで、ゆりねに似たほろ苦い味わいと、じゃがいもと里芋をたしたような、少し粘りのあるほっくりとした食感が特徴です。
その食感をいかしてお正月に煮物で食べられることが多いです。
・白くわい
中国で主に食べられているくわいで、火を通してもシャキシャキとした食感が残ります。
味は青くわいに比べると薄く、どちらかというと味よりも食感重視の食材として使われます。
・吹田くわい
大阪府吹田市で栽培されているくわい。
非常に生産量が少ないために吹田市以外では販売されていないんですが、他のくわいよりも小粒で甘みがあり、栗のような食感でほくほくしていて美味しいんですよ。
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日本国内のくわいの生産量
日本での生産は全体でおよそ400トンで、そのうち広島県が230トンと、全体の60%の生産量を占めています。
5年ほど前は現在生産量2位(110トン)の埼玉県も広島と並ぶほどの生産量がありましたが、おせち料理がそれほど食べられなくなってきて、需要が減って来たため生産量がかなり少なくなっています。
くわいは広島県と埼玉県だけで国内生産量の90%を占めているんですね。
2位以下は茨城県、新潟県と続きますが、いずれも20トン以下の生産量で、その差は歴然です。
ただ、生産量6位に入っている京都は京野菜としてくわいが認定されています。
このことからくわいが昔から日本の料理と長い歴史を築いてきたのかが分かりますね。
くわいの栽培方法と育て方
くわいはお野菜にしては少し珍しい方法で栽培されているんですよ。
れんこんと同じように土の畑ではなく、水田で栽培されているんです。
4月下旬から植え付けできますが、もっとも需要が高まる年末に収穫時期を合わせるために大体6月下旬から7月上旬に植え付けし、12月に収穫する事が多いです。
栽培中は水を切らさないように管理し追肥や葉かぎ(葉の量を減らしうまみをくわいに集中させる作業)をし、収穫時期が来ると水田の水を抜いて掘り返すようにして収穫します。
まとめ
- くわいは「芽が出る」と縁起が良いとされる栄養価の高い野菜
- 消費量は日本が世界一
- 3種類あるが日本では青くわいが一般的
- 日本での生産は広島県が全体の60%を占める
- 水田で栽培される
くわいって見た目の不思議さから手を出しにくかったんですが、昔から日本で親しまれてきた食材なんです。
お正月の季節にしか見る事のできない野菜、くわい。
こんどくわいに出会ったときにはまずは煮物から挑戦してみたいと思います。
あなたもぜひ手に取ってみてくださいね。
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