「学歴は関係ない!」面接でのその一言が忘れられません
T.Tさん 男性(当時の年齢、24歳)
私は大学を6年かけて卒業したグータラ男。
昔からノンビリした性格で、何をやっても人より時間がかかるタイプの人間でした。
そんな私がストレートで志望大学に入学することができたのは奇跡といってよいでしょう。
まあ、入学してからはかならマイペースに過ごしていましたが…。
それでも、なんとか単位を取得して卒業。
大学4年生になってからのんびりと就職活動を開始して、受けては落ち受けては落ち、を繰り返してなんとか今働いている会社にたどり着きました。
ハッキリ言って社会は甘い場所ではありません。
私のようにおっとりした性格の男は競争社会に向いていないので、周りの連中に見事に置いていかれる傾向にあります。
それはうちの会社の就職試験を受けた時に、面接官にはっきりと言われたので、今でもよく覚えています。
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■思想の甘さについて
大学4年生、時間がたっぷりある学生という身分の私は様々な本を読み漁り、70年代アメリカの自由主義に傾倒して、かなりボヘミアンな思想を持っていました。
一人旅にもよく出ていろんな国や土地の文化や宗教、人々の人間性に触れてきました。
その経験を生かして、就職先は人材派遣会社にしようと決意していました。
しかし、不況の波が押し寄せていた2000年当時の日本。
自由主義なんて言葉を面接で口にしようものなら『出ていけ!』と追い返されそうなピリピリした雰囲気が漂っていました。
それだけ就職難だったのです。
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【面接官とのやりとり】
会社の面接は個人面接。
当時の総務部長が面接官で、私の私生活や仕事への考え方。
将来の目標などを聞かれた覚えがあります。
そんな中、私は自分が抱えているアメリカの自由主義への憧れを聞かれてもいないのに話した覚えがあります。
今思い出すと顔から火が出そうな恥ずかしい思い出です。
しかし、総務部長は私のことをバカにすることはせず、私の稚拙な言葉に逐一頷きながら、最後まで聞いてくれました。
そして、最後に一言。
(下記文書は枠で囲って下さい。)
『おそらく、君の主張は正しいし、理想的だ。でもその考えは今の日本では通用しない。何故なら今日本ではバブルの好景気の反動が押し寄せているからだ。でも、そんな中、君のようなハッキリとした思想を持った男がいるということが強みでもあると私は思う。うちの会社では学歴は関係ない!入社したら新卒も中途も横一列で頑張ってもらう。まさに競争社会そのものだよ。でも、そんな中で君が持つ自由主義を貫き通せるなら…それはそれで面白いと思う。もし当社に受かったら、苦労しながら頑張ってください。』
私は感動しました。
そして、この会社で頑張ろう…というかこの会社に入りたい!と切に思ったのをよく覚えています。
【そして合格】
こうして私は奇跡的に今の会社に入り、15年が経ちました。
現在の役職は課長。
30代で課長はなかなかのものだと自分でもおもっています。
あれから社会の荒波に揉まれましたが、今でも私の中の自由主義は揺らぎません。
あの時面接官に自分の思想の話をしてよかったなぁと思います。
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